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【山崎豊子おすすめ5選】この人の原作ドラマ見て、化け物感たっぷりの小説を読みたくなったって話

先日、なにげなくテレビを見てたらスペシャルドラマが放送されてました。作家・山崎豊子原作の二つの祖国』というドラマです。

前編の後編を2日間にわけて放送してたみたい。私がたまたま見たのは後編の途中から。それなのに、ものすごく引き込まれて最後まで見てしまいました。

終わった後、こう思いました。

「山崎豊子ってすごい!」

おもしろい社会派ドラマは山崎豊子原作が多い

なぜ私が「山崎豊子ってすごい」と思うのか。

そもそも私、ドラマを見終わった後に「あ、この人が書いた小説が原作だったんだ!」と知ることが多いです。(たぶん私だけかな。笑)

驚くことに、今まで原作者知らずに見はじめて「面白かったー!」となるドラマ、断トツで山崎豊子原作のものが多いんです。

さらに驚くのが、どれもが「見ようとして見てない」ドラマだいうこと。

たまたまテレビで流れてきて何の気なしに見はじめたら止まらなくなる。そのほとんどが山崎豊子原作のドラマなんです。

もうね、目反らせなくなるのよ。CM中もいろいろと考えこんじゃう。

骨太の社会派小説を書くベストセラー作家と言われるだけあってそのときの社会、そして時代の明と暗を書ききった小説だからこそ奥深くて目がはなせなくなるのだと思います。

ベストセラー作家・山崎豊子とは

山崎豊子は、もとは毎日新聞社の社員でした。働きながら小説を書きはじめ、『花のれん』で直木賞を受賞。その後退社して作家活動に専念します。

女性の生涯を書いた作品を多く書いていたけれど、1963年からサンデー毎日で連載をスタートした『白い巨塔』によって「社会派作家」と呼ばれるようになりました。

『白い巨塔』は映画化され、ドラマでも何度もリメイクされてます。個人的には唐沢寿明主演のドラマをすぐに思い出します。もう一度見たいな〜。

その後も様々な賞を受賞し、ほとんどの小説が映像化されている超ベストセラー作家です。

キムタク主演の『華麗なる一族』も人気あったねー。

山崎豊子が書く小説の特徴とは

山崎豊子作品の特徴は、難しいテーマと正面から向き合うため膨大な取材をとにかくこなし、事実に基づいて執筆されていること。だからこそ描かれる人間ドラマが生々しく、まるでノンフィクションを読んでいるかのように感じます。

人間の欲望や葛藤を書かせたらピカイチじゃないかと。もうね、どろっどろよ、どろっどろ。笑

そして”いつ見ても面白い”というのも特徴の一つだと思ってます。

私が先日見た『二つの祖国』は太平洋戦争によって翻弄される人々を書いた作品なんだけれど、令和になったこの時代に見ても全く違和感を感じずに入り込めた。

ほら、ちょっと昔のトレンディドラマ見ると「古くさいな〜」と思ったりするじゃん?

それが山崎豊子原作の映画やドラマにはないんだよねぇ。世界観にすぅー、っと入り込めるのよ。すぅーっと。違和感を感じるヒマもないほどのスピードでね!

そんな素晴らしい映画やドラマたちが”もとは小説だった”ってとこに化け物感を感じます。どうやったらあれを文章だけで表現できるんだ……。

社会派小説の金字塔!山崎豊子のおすすめ小説

映画やドラマで見ることは多くても、原作である小説を読んだことがまだないんです。なので、数ある小説のなかで読んでみたい作品をいくつかピックアップしました。

実は、読んだことはなくても”どの小説が人気あるか”を知ってるんです、私。元図書館員だったので……!

それも考慮しつつ、おすすめ&個人的に読みたい5選を紹介していきます!

『白い巨塔』


白い巨塔(一)(新潮文庫)

言わずと知れた大傑作作品です!題名くらいはみんな知ってるでしょ!最近ではV6の岡田准一くん主演でリメイクされてましたね。

大学病院を舞台に医局問題や医学会の腐敗が鋭く書かれています。山崎豊子のなかでも傑作と呼ばれている小説です。

たしかに、ドラマすごかったもんな……。

だからこそ”あのドラマをそもそも文章だけでどう表現していたのか”という部分にとっても興味があります!

超有名どころだけども、一番に読みたい小説です!

『約束の海』


約束の海 (新潮文庫)

私が図書館に勤務しているときに発刊され、予約数がものすごかったのを今でも覚えています。

山崎豊子が2013年に亡くなり、その後2016年に発刊された未完の絶筆なことが理由の一つかと。

海自潜水艦と遊漁船との衝突事故にまるわる話ですが、なんせ未完なのでラストまでは書かれていないようです。それゆえ「読んだけど、なんかモヤモヤする」との声も。

しかし。”どんな構想をもってこの作品を書いていたのか”に思いを馳せながら読むのも面白いんじゃないかと!

未完の遺作、読んでおきたい一冊です。

『沈まぬ太陽』


沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

航空会社の不条理と飛行機墜落事故が絡み合う濃度の高い一冊です。

あの日航機墜落事故がモデルだとか……。これ聞いただけでゾクっとしてしまうね。社会ドラマや人間ドラマが渋滞起こしてるね、きっと。

「長編小説だということを忘れる」「ページをめくる手が止まらない」との声を聞いたことがあります。これほどのテーマをしっかり書ききるとは、さすが山崎豊子です!

2016年にWOWOWでドラマやってたの見たかったなー!

『女系家族』


女系家族〈上〉 (新潮文庫)

題名のとおり、女性が主体の作品です。女系家族の遺産相続争いの話。

もう、どろっどろらしいです。笑 そして怖いらしいです!山崎豊子が書くミステリーとの声も!

女の愛憎劇と金の話ほど怖いものないからねぇ……。

社会派作品だけでなく、こういった王道のドロドロ作品も見事に書き上げるのが山崎豊子のすごいところ。

かつての昼ドラのようなドロドロ劇が好きな人におすすめです。笑

『不毛地帯』


不毛地帯(一) (新潮文庫)

山崎豊子の作品で”戦争3部作”と呼ばれているのが『大地の子』『二つの祖国』、そして『不毛地帯』です。

『不毛地帯』はシベリアを舞台にしたストーリで、戦後の日本を知ることのできる歴史作品とも呼ばれてます。

「日本人として読んでおくべき一冊」と言われるほどの内容らしい。もしくは「社会人になるまでに絶対読んでおくべき!」との声も。私とうの昔に社会人なっちまったよ……。

そういやこのドラマも唐沢寿明だったよね!唐沢さんって山崎豊子作品にすっごくマッチするんだよな〜。素敵。

圧倒的な取材力が生み出した”化け物小説”がずらり

おすすめ&個人的に読みたい5選を紹介しましたが、まだまだ名作あるんですよ。すごいよね、山崎豊子って。

すべての作品に言えることは取材力がはんぱないってこと。その圧倒的な取材力をもって執筆に長期の期間をかけ、確実に名作を作り上げてるんです。(執筆期間5年とか10年とか)

全ての作品が映像化されるほどの名作ぞろいってすごくないか……。言い方悪いけど、化け物小説家だよほんと!

リアルさゆえに辛い描写や不愉快になるシーンもあるけれど、だからこそより世界観に入り込めるのも事実。

もうすぐ読書の秋がやってくるし、”読みたい本リスト”に山崎豊子の名作を一冊いれてみてはどうでしょう?

私はリストアップした5冊読むぞ!

ではまた!