登山をはじめた頃。憧れる反面、危ないし怖そうだしで遠い存在だったのが北アルプスでした。
しかし亀のごとく超マイペースに登山を続けていくうちに「北アルプスに登りたい」と怖さより好奇心が勝っていき、ついに今回デビューするに至りました!
上高地から涸沢か槍、もしくは表銀座の燕岳にしようと思っていたけれど、結局選んだのは唐松岳と五竜岳。
冬にスノーボードtripで八方尾根スキー場に訪れたときに、はじめて対面した白馬エリアの山々の圧力感に魅せられ感動して「グリーンシーズンも来たい!」と思ったのが決め手となりました。
日帰り登山も可能で北アルプスでは入門編と呼ばれる唐松岳と、スリリングな鎖場や岩場がある五竜岳。2座を1泊2日でぐるっとまわる縦走コースです。
しかし当日は朝から雨がふったりやんだり。おまけに濃いガス。唐松岳から五竜岳へ向かうルート中にはちょっと怖い鎖場があるので、単独登山&北アルプスデビューであることを踏まえて五竜岳は断念することに。
1泊2日の唐松岳登山に変更しました。
目次
2018年9月13〜14日 唐松岳ピストン ルート
八方尾根ルート・登り
八方ゴンドラ駅(リフト3基乗り継ぎ〔ゴンドラアダム/アルペンクワッド/グラートクワッド〕)ー(20分)ー八方池山荘ー(90分)ー八方池ー(150分)ー唐松岳頂上山荘ー(20分)ー唐松岳山頂
八方尾根ルート・下り
唐松岳山頂ー(15分)ー唐松岳頂上山荘ー(120分)ー八方池ー(60分)ー八方池山荘ー(20分)ーリフト乗り場(リフト3基乗り継ぎ〔グラートクワッド/アルペンクワッド/ゴンドラアダム〕)
八方エリアの第2駐車場(無料)に車を停めました。”八方の湯”という温泉がすぐそばにあるし、コンビニも近いので使い勝手がとてもよかったです。
ここからゴンドラ乗り場は徒歩15分ほど。もう少しいったところに広い第3駐車場もあり、ここも温泉があります。
1日目 八方ゴンドラ乗り場〜唐松岳山頂
駐車場を出発したのは8時すぎ。五竜岳への縦走をやめて時間に余裕が生まれたので、ついダラダラしてしまいました。
他にも数台の車があり、みなさんもゆっくり準備中。
第2駐車場出発
ゴンドラ駅まで歩いて向かいます。徒歩15分くらいだったかな。
9月とはいえ朝から蒸したような暑さ。
ゴンドラ駅の写真撮るの忘れた……。この写真はゴンドラリフト「アダム」に乗って到着した兎平と呼ばれることろ。
あたり一面ガスガスガス。あまりにも白くて方向わからなくなりそうでしがた、案内板が多く歩道もきちんと整備されているので心配ご無用。
次はアルペンリフトに乗ります。
ガスを抜けて青空が広がってきました!ウェーイ!
アルペンリフトを降りたところ。リフトだけですでに雲の上。すでに絶景。八方尾根おそるべし。
案内板にそって進みます。奥に見えるのが3つめのリフト、グラートクワッド。
たいして歩いてないのにどんどん雲の上へ。リフトさまさまです。
八方池山荘
リフトをおりたところに八方池山荘があります。ここから1時間ほど登ったところにある八方池までは観光客も多いためとっても賑わっていました。
秋の空模様だけれど、めっちゃ暑いです。じりじりします。
少し登って振り返るとこの景色。北アルプスってすげーーーーーー!!!
観光客が多いとはいえこの傾斜。息が上がる普通の登山道だけど観光客大丈夫なんだろうか。軽装の人もいたし、けっこう辛いと思う。
ケルンの奥に……不帰ノ嶮だーーー!!!
ガスがなかなかとれず、はっきり見えたのはここと合わせて数回。くそぅ。
顔みたい。
八方池の分岐に到着。このまま池を眼下に見ながらいくルートと池まで下りるルートにわかれます。
はじめての八方池はもちろん池のそばへ!!!
見えそうで見えない不帰ノ嶮。むむむ……。
八方池
じゃーん!八方池きれー!
しかも一瞬だけ不帰ノ嶮が見えました。すかさず写真!山の神様ありがとう!
しばらく景色を堪能したりガスが晴れるのを待ったりして過ごしてから(どんどんガスっていった)八方池をあとにします。
しばらく歩くと木々が生い茂る樹林帯へとはいっていきます。
あれ、すでに森林限界を超えているはずでは……。
なんとここ、植生の逆転現象が起こってました。
一般的→樹林帯>森林限界
八方尾根→森林限界>樹林帯>森林限界
雲の上歩いて来ていきなり樹林帯に入るのはとても不思議な感覚でした。
こんな感じの道を歩きます。森林浴してるようで気持ちいい〜!
と思ったのもつかの間、この後丸山ケルンがある稜線までずーっと続く登りにけっこうやられます。登っても登っても進んでいる気がしない……。大学生の団体にどんどん抜かれていきます。
扇雪渓
やっと扇雪渓に到着。大きなポイントとなる丸山ケルンはもう少し先。ここでゆっくり休憩してしまうと根が生えそうだったので、行動食を補給してすぐに出発。
丸山ケルン
八方池から1時間半で丸山ケルンに到着。かなりいいペースでこれました!
それにしても……
なんも見えねぇ。笑
晴れてたらここでどんだけの絶景が待っていたのか……。くそぅ。
この、おそらく絶景であろう登山道を40分ほど歩きます。すると真っ白な景色の中でひときわ目立つ看板が。
『う回ルート』。通行止めになっていました。事前調査によりここを行くもんだと思っていたので少し戸惑いました。
横には『この先稜線歩き』の文字も。はて、どこを行けばいいのか……。
ここだってよ。
ここだってよ。
ガスだからいいものの、晴れてたら結構怖いポイントなんじゃないのこれ。ってことは、結構絶景なポイントでもあるってことだよね。くそぅ。
ガスガス稜線を20分ほど歩くと唐松岳頂上山荘の裏手にでました。山小屋って見た瞬間ほんっと安心するわー!
五竜岳との分岐に到着!初めて見る生の「長野県北ア」の標識に大興奮。
生の「牛首の鎖場」にも興奮。ほんとにあるんだー!笑
時間的には五竜岳まで全然余裕でいけるな……とここにきて心が揺れはじめます。行こうかな、やめようかな、いや、行こうかな。
しかし、天気も微妙だしやっぱりやめました。安全第一。
唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上山荘に到着!宿泊の受付時間まで時間があったので、先に山頂を目指します。
ガスばっかりですねぇ。
雷鳥発見!はじめての生雷鳥ー!!!可愛い!
つがいも発見!可愛いー!
雷鳥さんたち、山頂までの登山道にたくさんいてしかも人間を恐れずに出てくる!すごい!
生雷鳥に感動しっぱなしで、それは他の登山者も同じなようで、ばったり出会った登山者と写真撮影会に。笑
こういう山ならではの交流、とっても好きです。
唐松岳山頂
ついに!ついにー!山頂についたー!!!
はじめての北アルプスの頂き。感動もひとしお……のはずなんだけど。
いや、ちゃんと感動したんだけど、でも、でも、とにかく真っ白で何も見えないんだよなぁ。
ここから五竜岳と白馬岳が見えるらしい。どこにあるんでしょうか……。
山頂には私だけ。うーん、撤収!笑
くだってるときも雷鳥パラダイス。
こんな近くに来てくれた!か、可愛い……!
ガスってて展望がないのは残念だけど、天気が悪いからこそ雷鳥にたくさん出会えたのでこれはこれで満足。ほんっとに雷鳥可愛い!
唐松岳頂上山荘 チェックイン
唐松岳頂上山荘は本館と北館があって、本館に宿泊する場合はプラス800円。
上の写真は北館。ケチってこっちにしました。北館は離れなので本館との行き来は一旦外にでなくてはなりませんよ!
ちなみに、食堂は本館ね。
この日の宿泊者は少なく、1区画を自分1人で使用できました。らっきー!
山荘前からテント場チェック。一張りありますね!朝見たときは二張りに増えてました。悪天候でも登山者っているもんですね〜。
それにしてもここのテント場、トイレ大変そうだなぁ。
夕飯まで山荘周りうろついたり本読んだりして過ごし、夕飯後は食堂にあった大量の山と渓谷を読みあさり1日目は終了。
2日目 唐松岳頂上山荘〜唐松岳山頂〜八方ゴンドラ駅
朝4時起床。起きた時は雨の音が聞こえていたものの、しばらくするとやんでいました。これはワンチャンあるかもしれない……!
外に飛び出して見た景色がこれ。なんと、劔岳が見えてるーーー!はじめての生劔!!!かっこいいぃ。
昨日は見えなかった唐松岳山頂が見えます。奥には不帰ノ嶮を通って白馬岳まで続く稜線も見てとれます。
今日1日天候がもってくれたら……最高じゃん!テンション爆上げ!さっさと朝ご飯食べて行こう!
唐松岳頂上山荘出発
食堂で朝ごはんを食べ、席が近かった人たちと談笑してゆっくり過ごします。
……さっき「早く行こう!」ってなってたのになんで?と思った人もいるでしょう。そうなんです。早く行こうと思ったんですけどね。
ご飯食べてる間にこうなりました。写真じゃわかりにくいけど、これけっこー雨降ってます。
でもこれはこれで楽しい時間でした。なんたってみんな山好きですからねぇ。山好きが集まるとやることは、今まで行った山の写真の見せ合いっこだからね。笑 けっこう盛り上がってキャッキャしてました。
すると、雨があがり徐々にガスもとれてきた!これは行くっきゃない!急いで準備して山頂へ。
昨日は見えなかった五竜岳が見える!しかもその奥に小さく見えるのは……
あー!槍だー!槍ヶ岳が見えるー!!
人生初の生槍ヶ岳です!すげー!すっげー!大興奮!!!
昨日とはうって変わって、ガスがなくなりすっきりとした景色に。ここからのアングルってけっこう見かけるよね。
白馬岳方面は水墨画のような状態に。不帰ノ嶮をはじめ、急峻な岩場が続く難易度の高い稜線と登山道が見てとれます。かっこいいなぁ。
唐松岳山頂
2度目の山頂。昨日は真っ白だっただけに、こんな景色だったのかーとそりゃあ感動しました。北アルプスの有名どころめっちゃ見えるやんけーーー!!!
正面に見えるのは剣岳。その横をずーっと見て行くと立山も。
かっこいい、かっこいい、かっこいいー!
1人でテンションぶち上げ……と言いたいところだけど、山頂にいた人10名くらいみんなテンションぶち上げ状態でした!笑
昨日はどこにあるのかわからなかった五竜岳、ちゃあんと矢印の方向にあります。写真はないけど白馬岳もちゃあんとありました!
山頂でキャッキャしているうちにまたガスが立ち込め、あたり一面真っ白になってしまいました。ほんの一瞬のシャッターチャンスを逃さずゲットできて本当によかった。
下山開始
お別れするのが本当に名残惜しいけど、天候はどんどん悪化。また雨が降ってくる前に下山を開始しました。
さようなら、生唐松岳。
前日に思った「晴れていれば絶景なんじゃないか」稜線は今日もガスの中。くそぅ!
途中、朝食で一緒になったおじさまとテント泊してたお兄さんと意気投合し、3人で一緒に下山することに。登ってきた山やおすすめのギアなんかの話をしながら和気あいあいと歩きます。
おじさまは鹿島槍ヶ岳からの縦走、お兄さんは白馬岳からの縦走なんだそう。みんなすごいな〜!
八方池山荘
休憩をはさみながら八方池山荘まで降りて来ました。私以外の2人はリフト券を買わなくてはならないのだが、それらしき売り場が見当たらない……。
リフトのスタッフさんに聞いて判明。片道(下山時)のみの購入の場合はこのままリフト乗って、降りたところでお金を払うシステムなんだって。そんなパターンもあるのだね〜!
リフトを3期乗り継いで下山完了。私の北アルプスデビューは無事に終わりました。
北アルプスはツンデレ?
この後、3人で「そばが食いたい!」となり30分ほど歩き回り見つけた蕎麦屋で宴会開始。笑 年代も出身もバラバラなのにこんなに意気投合できるのも登山の醍醐味の一つだね〜!
初めての北アルプスは天候に恵まれなかったものの、とても充実した内容だったな〜と思います。むしろ、「また来いよこのやろー」という山からの手荒な歓迎だった気にさえなります。
「そう簡単に晴れにしないから、たくさん北アルプスに来いよ!」みたいな?これってツンデレ?
五竜岳も行ってないし、必ずリベンジしにまた行きたいと思います!
ではまた!