標高1000m級の山域に魅力がびっちびちに詰まった山、それが秋田駒ヶ岳です。
いったいどんな魅力がつまった山なのかご紹介していきます!
目次
秋田駒ヶ岳とは?
秋田駒ヶ岳は秋田県と岩手県にまたがる山です。県境を歩く箇所もあり、両足に両県を感じながら歩くこともできます。笑
標高は1637mとそこまで高くはないものの、”花の百名山”に選定されている人気の山。
2〜3000m級の山々で見られるような高山植物が秋田駒ヶ岳でガンガンみれます!
なぜ標高がそんなに高くない秋田駒ヶ岳にお花がたくさん咲くのか?
理由は”偽高山帯”と呼ばれる分布に属しているから。
垂直分布的には高山帯に達していないけど針葉樹林がないことで高山帯のような景観が見られる一帯を”偽高山帯”といいます。
原因は諸説あるようですが、冬の多雪や強風が関係しているようです。
一花咲かせるには試練に耐えなきゃいけないのだね、人も山も。
秋田駒ヶ岳の山開きは毎年6月1日となっています。
秋田駒ヶ岳のなりたち
秋田駒ヶ岳はいくつかのピークをもった山々の総称です。なので、秋田駒ヶ岳、というピークは存在しません。
標高が一番高い男女岳(おなめだけ)、駒形神社の祠があり眺望もいいことから人気の男岳(おだけ)、急に裸んぼの丘が現れる焼森(やけもり)、稜線上に突如現れる横岳(よこだけ)、現在も火山活動が続く女岳(めだけ)などがあります。
そう。秋田駒ヶ岳は活火山です。
2019年6月現在は噴火警戒レベル1。それでも、少しながら噴煙が上がる様子が見てとれます。
大昔に火山活動が始まり、噴火を繰り返すなかで大きなカルデラが2つ形成され、その後も爆発的噴火を繰り返し男女岳や女岳などの火砕丘が作られ現在にいたっています。
〈南部カルデラ〉
直径約3kmのカルデラです。現在も火山活動中の女岳や、ちょっとおしゃれなクッキーのような形をした小岳があります。
この2つは明確な登山ルートはありませんが、知る人ぞ知る道があるらしく、登れないわけではないようです。しかし活火山で噴火警戒レベル1なので注意が必要&登る際は自己責任でお願いします。
ここ、”ギザギザスプーンですくったハーゲンダッツのアイス”って感じで好きです。笑
〈北部カルデラ〉
南部カルデラに比べて規模は小さいけれど、もっとも大きな火砕丘である秋田駒ヶ岳最高峰・男女岳があったり、北部カルデラの爆裂火口を間近に見ることができるなど。バラエティに富んでいます。
八合目登山口から新道コースをいくとすぐに現れる火口。
昔は”旧道コース”といってこの火口にそうように歩くコースがありましたが、現在は整備されていません。途中に崩壊している箇所もあり危険なので、新道コースを行くようにしましょう。
秋田駒ヶ岳の魅力
秋田駒ヶ岳の魅力は豊富な高山植物や見所いっぱいの景観、初心者から上級者まで楽しめる登山コースの多さ、そして下山後の楽しみである良質な温泉……もういっぱいあります!
〈豊富な高山植物〉
花の百名山に選定されている秋田駒ヶ岳。お花たっくさん咲きます。
雪解けの状況にもよるけれど、特に6〜7月は毎週登るたびに山が模様替えしてるといっても過言ではないほど!
そのなかでも、秋田駒ヶ岳といえば……という代表的なお花はこちら。
チングルマ
南カルデラに位置する谷では、雪解けとともにチングルマの大群が咲き乱れます。
その年の雪解け状況や天候によってかわりますが、タイミングが合えば谷一面に可愛いチングルマが絨毯を広げたように咲いて、山の緑にホワイトが映えてとっても綺麗!めっちゃメルヘンチック!
それが由来なのかはわからないけど、この谷は「ムーミン谷」と呼ばれています!
チングルマ以外のお花もたくさん見ることができ、秋はあたり一面紅葉で染まるなど常に登山者を楽しませてくれるムーミン谷はとっても人気のルートです!
コマクサ
高山植物の女王と呼ばれているコマクサ。縦に長いピンク色の花びらが特徴です。
コマクサが咲いているのは大焼砂とよばれる砂礫帯。女岳や小岳の噴火によって飛んだマグマのしぶきが冷え固まって降ってきたらしい。
大焼砂から北東に少し離れた焼森もこの砂礫帯。ここでもコマクサの群生を見ることができます。
地質の変化に富んでいるのも秋田駒ヶ岳の楽しいところですね!
〈どこを歩いても素晴らしい眺望!〉
秋田駒ヶ岳からは日本一の水深を誇る田沢湖を見ることができます!写真は新道コース下山中になにげなく撮った一枚。もちろん男岳などのピークからも見えますよ!
シャクナゲコースの稜線からは湯森山へと続く登山道が見えその奥の乳頭山や岩手山まで大パノラマが一望できます!
横岳から男岳分岐までの稜線からは和賀山塊が近くに見え、天気が良ければ早池峰山や鳥海山も見ることができます!
〈登山初心者から上級者までOK!豊富な登山コース〉
秋田駒ヶ岳の登山コースは豊富です。
中でもポピュラーなのは秋田県側・八合目から登る新道コースです。
男女岳や男岳までゆっくり登っても1時間半〜2時間ほど。登山デビューにも良いコースです。
マイカー規制があるため八合目まではバスで向かいます。時期によってはマイカー規制が解除されているので、行く際は必ず確認したほうがいいです!
体力に自信のある人は乳頭山までの縦走コースもおすすめです!
- 秋田駒ヶ岳の山開きは毎年6月1日となっています。
- 八合目へ向かう県道駒ヶ岳線や国見温泉へ向かう県道266号国見温泉線は冬季通行止めになるので要注意。
〈良質な温泉が豊富!〉
有名な乳頭温泉郷をはじめ、秋田駒ヶ岳の周りには良質な温泉がたくさんありますよ!
鶴の湯
雑誌やTVで特集されることも多い乳頭温泉郷。
秘湯感たっぷりな鶴の湯をはじめ、温泉好きにはたまらない場所ばかり!できることなら全部入りたい!
しかし。日帰り入浴の時間がそれぞれ違うので注意が必要。大釜温泉と休暇村乳頭温泉郷が17時までやっているのでおすすめ!
国見温泉
岩手県側からの登山ルートでポピュラーなのが国見温泉登山口。名前の通り温泉があります!なんて贅沢!
緑色の湯色は全国でも珍しく、湯の花も豊富なので温泉好きならば一度は入りたいところ。
冬季は営業していないので要注意。
魅力いっぱいの秋田駒ヶ岳へGO!
登山中も下山後も楽しめる秋田駒ヶ岳。数え切れないくらい登っていますが、登るたびに新しい発見があっておもしろいお山です!
お花も紅葉もいいけれど、10月後半の一面枯れている寂しい時期も好きだったりします。人間に置き換えると何歳くらいなんだろ……なんて考えながら物思いにふけってます。笑
田沢湖などの観光名所もある秋田駒ヶ岳、おすすめです!